GALLERY SUZAKUIN

画家・エッセイスト。1922年(大正11年)、岡山県味野町(現 倉敷市)に生まれる。
尺八の大師範を父にもち、幼少の頃より芝居、浄瑠璃、浪曲といった日本古来の芸
能に興味を持つ。
東京美術学校(現東京芸術大学)卒業。岡山県味野中学校、岡山県立天城高等学校、
静岡市立高等学校、静岡県立伊東高等学校で教鞭、この間に日展や光風会展など数
多く入選。
 1959年(昭和34年)、フランス留学。留学中、自転車バイクでヨーロッパ放浪、
藤田嗣冶と親交を得る。帰国後ジプシーなどをテーマに「さすらい」シリーズを連
作。1961年(昭和36年)藤田の勧めもあり、東北を旅行し、訪ねた津軽で、瞽女ごぜにつ
いて初めて知る。以後、津軽、越後を旅し、盲目の旅芸人瞽女を記録し「越後瞽女
日記」を連作する。1971年(昭和46年)第14回安井賞佳作賞を受賞する。また、明治
の吉原遊女をテーマに連作、1985年(昭和60年)「明治吉原細見記」「絵草紙 吉原
炎上」を出版し、映画や舞台で上演される。その後も郷愁を求め渡欧し「昭和ロマ
ン」「哀歌」などのシリーズを発表。
 どの団体にも所属せず、戦後日本の高度成長、経済的豊かさの追求の陰で、失わ
れつつある日本の文化、忘れてはならない心のふるさとというべきものを再認識さ
せている。その画業はヨーロッパなどからの借り物でない、自分自身の中から汲み
出したものを土台に築きあげられている。作品は、哀愁に満ちた独特の美の世界を
築きあげ、今日の私たちに強く訴えかけるもの、大事なものが詰まっている。
作品には越後瞽女日記、さすらい、明治吉原細見記、街角などのシリーズがある。
エッセイ、画文集などの著作も数多くあり、昭和48年には「瞽女=盲目の旅芸人」
で第21回日本エッセイストクラブ賞を受賞。
「絵草紙 吉原炎上」「明治吉原細見記」は五社
英雄監督により「吉原炎上」(昭和62年東映)と
して映画化されている。
1993年(平成5年)山形県天童市に(財)出羽桜美術館
分館 斎藤真一心の美術館
を開館。「街角」シリー
ズの作品制作に励むが百数十点の未完作品を残して、
1994年(平成6年)9月18日、72歳で逝去。

有限会社 朱雀院

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